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由布院の四季
辻馬車の蹄の音が響き始めると一歩一歩春に近づいていきます。
寒さ残る中、草花や桜の蕾もゆっくりと膨らみはじめます。
大分川沿いの満開の桜と菜の花、川面に写る空と雲、そして由布岳が織りなす風景は、由布院の変わらない春の姿です。
木々が芽吹き、鮮やかな緑色が美しくなります。散策やサイクリング、ミヤマキリシマで色づく由布岳登山に絶好の季節です。
田んぼから聞こえる蛙の鳴き声、湯の坪川などに飛び交う蛍、里山の豊かさを実感できます。静かな雨に新緑も一層輝きを増します。
梅雨の雨には盆地に潤いを与えてくれます。落ち着いた空間でのんびり過ごすことが出来るのも雨のおかげです。
由布院の夏は、祭りの熱気で暑さが増します。供養盆踊りが終わると暑さがやわらぎ、心地よい風が由布院盆地を冷ましていきます。
朝晩はめっきり涼しさを増し、のどかな雰囲気が漂ってきます。ススキや稲穂が風に揺れる姿に秋の気配を感じ始めます。
新米が食卓に並び、自然の恵みに自ずと感謝の想いが湧いてきます。収穫を終えた田んぼに代わり、山が秋色に染まっていきます。
紅葉が見頃を終えると由布岳の麓を覆う澄み切った空気に秋の深まりを感じます。由布院盆地が朝霧に沈む姿が最も見られる時期です。
師走の慌ただしさの中、金鱗湖や大分川から湯気が昇る幻想的な光景がホッとさせてくれます。冬の訪れは温泉を恋しくさせます。
寒さが日に日に増すにつれ時間がゆっくりと流れる静かな里山となります。由布岳の山頂付近には雪や霧氷の化粧が施されます。
底冷えは厳しく、時折り雪が降るものの、由布院盆地は凛とした空気に包まれます。山麓では草原の美しさを保つために野焼きが行われます。