まだ見ぬ由布へ 〜Plan.1 自然のパワーを体感する「庄内」旅〜<前編>

豊かな自然と伝統的な文化が共存する、大分県の由布市。人気の温泉はもちろんのこと、由布岳をはじめとする美しい山々や豊かな水に加え、市内一円で新たなカフェやショップなども増えており、心も身体もリフレッシュしながら、さまざまな楽しみ方ができる旅先として注目を集めています。今回は、九州在住のフォトグラファー、mikidonさんが、このエリアの魅力を思う存分体感できる5つの旅へ!

5回の旅に分けてくまなく訪れた由布市の中から、本記事では圧倒的な自然のパワーを感じられる「庄内」エリアを、1泊2日で巡る旅・前編をお届けします。

Plan.1 自然のパワーを体感する「庄内」旅

阿蘇くじゅう国立公園の一角にある黒岳の原生林や、その麓に湧き出す男池湧水群(おいけゆうすいぐん)など、雄大な自然に囲まれた庄内エリア。そのパワーを全身で感じるなら、のんびりと自然の中での散策がおすすめです。手つかずのまま育まれた木々や澄んだ空気、美しい湧水に触れて、きっと五感が満たされるはず。また、200年以上の歴史を持つ伝統芸能、庄内神楽もこの地域には欠かせないもの。毎月の定期公演や、年に一度の神楽まつりは庄内の風物詩となっています。

Day1スタート!「男池園地」の散策でリフレッシュ

旅のスタートは由布院駅から車で45分ほど、庄内町にある「男池園地」から。入り口付近に190台分の駐車スペース、そして中には遊歩道も整備されており、新緑や紅葉など季節によって変わる風景の中、散策やトレッキングが楽しめます。いくつかあるコースの中から、今回はあいにくの雪模様だったため気軽な散策に最適な「男池名水の滝遊歩道コース」を歩いてみました。

「男池園地」は、大きなケヤキやブナなど原生林の宝庫でもあります。散策コースの途中にあるケヤキの大木は、なんと巨大な石の上に根を張るというインパクトのある姿!大木の根が絡みつく石は、どこか幻想的でパワースポットとしての神秘的な雰囲気が漂っていました。

自然の中をのんびりと歩き、心も体もリフレッシュ。静けさと澄んだ空気の中でゆったりとした気持ちで過ごすという、なんとも贅沢な時間を満喫することができました。

*スポット情報
住所:大分県由布市庄内町阿蘇野2965-2
TEL:080-2708-5816(庄内町観光協会)

澄んだ水と空気が心地よい「男池湧水群」

「男池園地」内にある「男池湧水群」は、日本名水百選にも選ばれた、自然の力を全身で感じられる癒しのスポット。湧水は光が当たると美しい青色に輝き、思わず息をのむほど美しい光景を見せてくれます。

「男池湧水群」の横には、大分県認定の豊の国名水15選のひとつであることを記した石柱があります。

たっぷりとミネラルを含んだ湧き水は、飲料用としても地元の人に愛されています。持参の水筒に湧水を汲んで飲んでみると、すっきりとしつつも柔らかな味わいに感動!黒岳が長い時間をかけてろ過した水が湧き出すことで、このまろやかで優しい口当たりになるのだとか。大自然に囲まれながら、ゆったりと湧水の恵みを味わう。そんな幸せなひとときを過ごすことができます。

澄んだ湧水と川の流れを見ているうちに、風に揺れる木々の音や鳥のさえずりも聞こえてきて、なんだか心が浄化されていくような気分になります。この透明感のある美しい水の輝きは、季節によって異なる魅力を見せてくれそう。今回は雪に囲まれたレアな冬景色を楽しみましたが、夏の新緑や秋の紅葉の季節にも訪れてみたい場所です。

*スポット情報
住所:大分県由布市庄内町阿蘇野2965-2
TEL: 080-2708-5816(庄内町観光協会)

「名水の滝」で自然の迫力を堪能!

比較的のんびりと楽しめる散策コースを、爽快な気分で進みます。男池から下流に向かって歩くこと約10分。

丸太の階段を上って下りた先に、湧き水がまとまって流れ落ちる「名水の滝」が現れます。こちらは静かな散策コースの雰囲気とは違い、自然の迫力をたっぷりと味わえるスポット。

2025年2月現在は、2024年の台風の影響により、遊歩道の途中から通行止めになっていて滝自体には近づけないのですが、滝の音が響き渡り、その存在感と力強い流れに圧倒されます。遠目からでも滝の存在感を十分に感じられるので、立ち寄ってみてください。

*スポット情報
住所:大分県由布市庄内町阿蘇野2965-2
TEL:080-2708-5816(庄内町観光協会)

名水を使ったコーヒーが味わえる「黒岳珈琲」でひと休み

男池周辺を巡った後は、「男池湧水群」入り口近くに2024年5月にオープンした「黒岳珈琲」へ。

名水を使ったこだわりの珈琲と、ジャズを中心とした音楽が楽しめるカフェです。一般的に、湧水地は山奥にあることが多いので、こんな風に汲みたての水を使った珈琲を、気軽に楽しめる場所というのは、全国的にもかなり珍しいそう。

お店の看板メニューである“湧き水を使った淹れたて珈琲”を淹れていただく間にも、レコードの音を楽しんだり、お店の方から男池周辺の情報を教えていただいたりと、なんとも心地よい時間を過ごすことができました。

男池の湧水で抽出したスペシャリティ珈琲は、水の純度がとても高く、雑味は一切なし。コーヒーそのものの香りや味が引き立った、格別の一杯をいただくことができます。

*スポット情報
住所:大分県由布市庄内町阿蘇野2972-2
アクセス:県道621号沿い「男池入口」近く
営業時間:9:00~17:00
定休日:不定休(天候による)

さらなる癒しを求めて「みことピアほのぼの温泉館」へ

黒岳の麓から車で40分ほど走れば、そこはもう庄内の町中。この辺りで、1日の締めくくりに訪れたいのが、「みことピアほのぼの温泉館」です。自然の中で心のリフレッシュは完了、今度は身体にたまった日常の疲れを癒す番!

「みことピアほのぼの温泉館」は庄内にいくつかある公衆浴場のひとつで、男女ともに広々した内風呂、露天風呂、予約制の貸切内風呂を完備しています。無色透明の熱めのお湯は、神経痛や筋肉痛、五十肩に効果があるそう。

施設の建物は、旧庄内小学校の校舎を改装して作られており、長い廊下や体育館のような床など、白木の館内にはその名残があちこちに。

夕方になると地元の方の憩いの場として賑わいます。綺麗に管理されていて、休憩スペースで談笑されているおばあちゃま方の雰囲気にもほっこり。
国道210号線からちょっと入った便利な場所にあるので、旅の途中に立ち寄りやすいというのも嬉しいですね。

*スポット情報
住所:大分県由布市庄内町庄内原355-1
TEL:097-582-2864
営業時間:11:00~22:00 (10月~3月は21:00まで)
定休日:第2水曜日

貴重な湧き水や温泉で、自然の恩恵を受けた1日目。お風呂でほっとひと息ついたところで、終了です。
2日目は、この地の伝統芸能である「庄内神楽」の舞台や、SNSでも注目を集める「龍昇の滝」など、話題のスポットを巡ります。ぜひお楽しみに!

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