まだ見ぬ由布へ 〜Plan.2 雄大な風景と神々に出会う「由布院」旅〜<前編>

豊かな自然と伝統的な文化が共存する、大分県の由布市。人気の温泉はもちろんのこと、由布岳をはじめとする美しい山々や豊かな水に加え、市内一円で新たなカフェやショップなども増えており、心も身体もリフレッシュしながら、さまざまな楽しみ方ができる旅先として注目を集めています。今回は、九州在住のフォトグラファー、mikidonさんが、このエリアの魅力を思う存分体感できる5つの旅へ!

5回の旅に分けてくまなく訪れた由布市の中から、本記事では「由布院」エリアで雄大な自然と心洗われる神社仏閣を、1泊2日で巡る旅・前編をお届けします。

Plan.2 雄大な風景と神々に出会う「由布院」旅

由布市を象徴する由布岳を筆頭に、山々に囲まれた温泉地である由布院エリア。
朝霧が幻想的な金鱗湖や、由布山麓の雄大な風景などの美しい自然と、天祖神社や佛山寺の歴史ある文化、両方を楽しめるのがこのエリアの魅力です。パワフルな自然と神秘的なスポットが調和するこのエリアは、1年を通して風光明媚な景色に出会える場所。思わず写真を撮りたくなる絶景と心を落ち着ける静けさに癒されながら、ゆったりとした時間を過ごすには最適です。

Day1スタート!“湯の町”らしいこだわりが詰まった「由布院駅」&「YUFUiNFO」

由布院観光の玄関口、JR「由布院駅」は建築家磯崎新氏の設計による左右対称の美しい駅舎が印象的。黒で統一されたモダンな駅舎は、洗練されたデザインながら木のぬくもりも感じます。高さ12mもあるロビーの吹き抜けは開放的で、ここから始まる旅へのワクワク感を後押ししてくれます。

なんと由布院駅の1番線ホームには足湯(有料)もあります。電車を待ちながら温泉気分を味わえるのは湯の町ならではで、身体も心もぽかぽかになりそう!また、駅舎内には待合室を兼ねたアートギャラリーもあり、訪れる人を楽しませてくれます。

*スポット情報
住所:大分県由布市湯布院町川北8-2

駅舎を出ると、正面には由布市のシンボル的存在である、由布岳の堂々とした姿が!

旅の始まりにぜひ立ち寄りたいのが、駅舎に隣接する「YUFUiNFO」(由布市ツーリストインフォメーションセンター)。

施設の1階には待合も兼ねた観光情報案内スペース、そして2階には旅に関する約2000冊のパンフレットや本を読むことができる「旅の図書館」と、由布岳を間近に望む展望デッキが設けられています。由布院の散策前に訪れると、さらに旅が楽しめそう!

アーチ状の木柱に囲まれた開放的な空間には自然光が差し込み、観光案内所というよりアートギャラリーのような美しさで、思わず見入ってしまうほど。ガラス越しに駅のホームを眺めることもできるので、特急「ゆふいんの森」やクルーズトレイン「ななつ星」など、デザイン豊かな観光列車の姿を間近で見られる可能性も。

1階の“ゆふいんチッキ”では、荷物預かりや宿泊する宿への荷物配送のサービス(共に有料)も。コインロッカーを探す手間もいらず、身軽に観光できるのが嬉しいですね。

*スポット情報
住所:大分県由布市湯布院町川北8-5
TEL:0977-84-2446
アクセス:JR由布院駅隣り
営業時間:9:00~17:30(年中無休)

多彩な表情を持つ「由布岳」の魅力に触れる

由布院の北東部にそびえる由布岳。日本二百名山のひとつ。その稜線の美しさから“豊後富士”の異名を持つ山です。由布のみならず大分、さらには九州のランドマーク的な存在として知られています。

初心者から上級者まで楽しめる登山コースが充実しているだけでなく、絶景スポットとしても有名。季節や時間帯、見る角度によって多彩な表情を見せてくれるため、目にする度に新鮮な気持ちになれます。

この日は由布院駅からの散策中に、参宮通りの城橋の上から由布岳を撮影しました。2本の支川の先にそびえ立つ由布岳は圧巻の眺め!冬の澄んだ空気の中、周囲の穏やかな景観や青空とのコントラストが美しく、まさに何枚でも撮りたくなる絶景です。

この橋の下流側は、春には桜と菜の花が咲き、一面が色鮮やかに染まる絶景スポットとしても有名。航空会社のカレンダーにも選ばれたほどの美しい景観が広がります。さらに、川沿いの遊歩道が広く撮影しやすいため、三脚を立ててじっくり構図を決めたり、セルフタイマーで記念撮影をしたりと、由布岳を撮るには絶好のスポットです。

由布院の町並みを一望できる人気ビューポイント「狭霧台」

由布岳のふもと、九州横断道路沿いというロケーションの「狭霧台」は、由布院の町並みを一望できるビュースポット。多くの人が撮影に訪れる場所でもあります。

由布岳と同じく朝と夕方では異なる魅力を持つ狭霧台。
朝は澄んだ空気の中、周りの山々がくっきりと浮かび上がり、秋から冬にかけては、運が良ければ朝霧が盆地を包む様子が見られます。

夕方は夕陽が町を優しく染め上げ、ほっとするような景色。
特に冬の空気は透明感があり、遠くまでクリアに見渡せました。

狭霧台へ向かうドライブコースも雄大な景色を楽しめる上に、途中で子鹿に出会う嬉しいハプニングも!ドライブ途中の休憩スポットとしても最適で、風景を楽しみながらのんびり過ごせる素敵な場所でした。

*スポット情報
住所:大分県由布市湯布院町川上1946-14

「ゆふいん山椒郎」で宝石箱のようなランチをいただく

お待ちかねのランチは、由布院駅から10分ほど歩いた先にある「ゆふいん山椒郎」で。こちらは由布岳を望む最高のロケーションが嬉しい、モダンな日本料理店です。町中から少し離れた静かな場所にあり、店内にはテーブル席のほか、カウンター席も用意されており、一人旅でも気兼ねなく食事が楽しめます。

食事は由布の野菜や豊後牛など、大分の名物を味わえるメニューが充実。今回は、ランチメニューの中から“合わせ箱(山)”をいただきました。こちらは、彩り豊かなさまざまなおかずが詰まった、まるで宝石箱のような一品。たくさんの野菜の下に、実は豊後牛が隠れているというサプライズもあり、見た目も味も大満足な贅沢ランチです。

*スポット情報
住所:大分県由布市湯布院町川上2850-5
TEL:050-5487-7769(ランチは予約不可)
営業時間:ランチ 11:00~15:00(L.O.14:00)/金~日 ディナー 18:00~22:00(L.O.21:00)
定休日:火曜日・水曜日・木曜日

由布院盆地を誕生させたといわれる神様が祀られる「宇奈岐日女神社」

農業の神、また水神さまとしてこの地の人々に親しまれている、由布院の守護神「宇奈岐日女神社(うなぎひめじんじゃ」。

由布院駅や金鱗湖から徒歩で約15分、流水のお濠に囲まれた神社です。

奥にある拝殿は趣があり、古くから崇められていた歴史を感じます。

特に目を引いたのは、ご神木だった大杉の切株。最長55m、周囲9m以上、樹齢600年を超える巨木で、台風で倒れてしまったものの、その威厳は今も健在。長い年月を生き抜いた力強さが伝わってきます。

参拝しながら境内の湧き水や鯉、数匹の野良猫たちがのんびりと歩き回る姿に、ふと目が止まり、なんだか心穏やかな気持ちに。

ニカッと笑う狛犬の表情もとてもかわいくて、気づけば何枚も写真を撮ってしまったほど。
訪れる時間帯によっては、神社の目の前にある小さな茶房でひとやすみするのも良さそうですね。

*スポット情報
住所:大分県由布市湯布院町川上2220
TEL:0977-84-3200

「由布岳」や由布院の町並みを存分に堪能できるビュースポットや、この地の歴史を肌で感じられる神社を訪れた旅の1日目。2日目は、幻想的な風景が楽しめる「金鱗湖」を皮切りに、自然と調和した由緒ある仏閣を巡ります。そちらもお見逃しなく!

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