まだ見ぬ由布へ 〜Plan.5 ノスタルジックな情景と地元の恵を味わう「由布院〜湯平」旅〜<前編>

湯平温泉

豊かな自然と伝統的な文化が共存する、大分県の由布市。人気の温泉はもちろんのこと、由布岳をはじめとする美しい山々や豊かな水に加え、市内一円で新たなカフェやショップなども増えており、心も身体もリフレッシュしながら、さまざまな楽しみ方ができる旅先として注目を集めています。
今回は、九州在住のフォトグラファー、mikidonさんが、このエリアの魅力を思う存分体感できる5つの旅へ!5回の旅に分けてくまなく訪れた由布市の中から、歴史情緒あふれる風景と、人の温かさに出会える「由布院〜湯平」エリアを、1泊2日で巡る旅・前編をお届けします。

Plan.5 昔ながらの情景と温かな人々に惹かれる「由布院〜湯平」旅

JR由布院駅から車で30分ほどの、山に囲まれた静かな温泉地である湯平。観光の中心は、湯平駅から車で10分ほどの距離にある、湯平温泉街です。温泉街の中央には、300年ほど前に作られた風情ある石畳の坂道が通り、その脇に木造の旅館や店などが並ぶ姿は、まるでクラシカルな映画のセットのよう。実際、多くの作品の舞台となっている場所でもあります。また非日常を味わえる公衆浴場、素朴で美味しい地元産品など、地元の人々の愛を感じる情景や、ここでしか体験できない魅力がたっぷり詰まったエリアとしても人気。この土地の歴史を感じながら人々の温かさに癒され、心がホッとする時間を過ごせる旅先となっています。

Day1スタート!由布院の静かな朝を感じながら「湯の坪街道」をのんびり散策!

湯の坪街道

今回の旅は、由布院観光を代表するスポットの一つ、「湯の坪街道」からスタートします。
由布院エリアの玄関口、JR由布院駅を出て、由布岳の雄大な姿を眺めながら進むこと約7分。約800mにわたって、土産物店やスイーツショップなどが立ち並ぶ目抜き通り・湯の坪街道が現れます。

湯の坪街道

由布院の観光名所「金鱗湖」へと向かうこの街道は、お店が開き始める朝10時頃は比較的静かで、通りの向こうには由布岳がそびえ、自然を身近に感じながら散歩を楽しむことができます。

通りにたくさんあるお店の中でも特に魅力的なのはグルメの豊富さ。どら焼きの実演販売では、焼きたての香ばしい香りに誘われて思わず足を止めてしまいました。

さっそく一ついただきます。ふわふわの生地に甘さ控えめの餡が絶妙で、ついもう一つ食べたくなる美味しさです。

お土産にもぴったりな、地元食材を使ったピクルスやジャムが並ぶお店も!大分名産の豊後牛や軍鶏を使ったランチ店や、見ているだけでもワクワクする雑貨店など、この通りにはたくさんの魅力が溢れています
落ち着いていてどこか温かみのある町並みは、フォトスポットもたくさん。旅の最初に訪れてワクワク気分を高めるのも良し、帰る前にのんびり散策しながらお土産を選ぶのもおすすめです!

湯の坪街道

また、にぎやかな湯の坪街道から一本道を外れると、一気に静かな雰囲気に。川のせせらぎが心地よく響き、田舎の親戚のお家に遊びに来たかのよう。

静けさの中に自然の美しさが際立つ、特に写真を撮るのが好きな人にはたまらない隠れたリフレッシュスポットを発見!
観光の合間に少し足を延ばして、喧騒から離れた静かな時間を楽しんでみるのもいいですね。

*スポット情報
住所:大分県由布市湯布院町川上湯の坪

絶景ポイント「蛇越展望所」で幻想的な由布院盆地を堪能!

蛇越展望所

由布岳と由布院盆地を一望できる「蛇越(じゃこし)展望所」は、由布院駅から阿蘇方面に向かう県道11号(通称やまなみハイウェイ)を15分ほど進んだところにあります。
標高が高いため空気が冷たく、冬に訪れるとやはり寒さを感じます。それでも温泉地らしい湯けむりがもくもくと立ちのぼる様子を見ていると、なんだか心がぽかぽかしてくるような気がします。

蛇越展望所

展望所には、蛇越という珍しい名前の由来が書かれた看板も。この峠の南方にある立石の池の近くに住んでいた僧侶、立石坊に嫁いだ娘が実は大蛇の化身でした。その正体を知られて元の住処に戻るためにこの峠を越えたという伝説があり、「蛇越峠」と名付けられたのだそう。

蛇越展望所

展望所から眺める由布院の町はとても美しく、どこを切り取っても絵になる景色。特に秋から冬にかけての冷え込む朝には、由布院盆地が霧に包まれる幻想的な風景が広がるため、「狭霧台(さぎりだい)」と並ぶ朝霧の撮影スポットとしても知られています。この朝霧と日の出のコントラストを写真に収められたら最高ですね。

*スポット情報
住所:大分県由布市湯布院町川西

タイムスリップしたかのような「石畳のある温泉街」にほっこり

湯平温泉

蛇越展望所から車で約20分、鎌倉時代から湯治客で賑わったという歴史ある温泉地「湯平温泉」が本日の最終目的地。

湯平温泉

石畳が広がる温泉街は、どこか懐かしく情緒が漂う素敵な場所。

湯平温泉

一枚一枚表情の違う石畳が、風情を醸し出します。

湯平温泉

コロナ禍や水害の影響も受けましたが、現在は地元の方々がかつての賑わいを取り戻すべく頑張っている姿がとても印象的です。長い時間をかけて培われてきたからこそのノスタルジックな雰囲気がたっぷり。次々とシャッターを切りたくなる情景が目の前に現れます。

湯平温泉

赤ちょうちんが灯る夜の湯平温泉街は、さらにフォトジェニックに変化して、まるでタイムスリップしたかのような幻想的な雰囲気に包まれます。

湯平温泉

山間の温泉街らしい静かな空気の中、川のせせらぎがやさしく響き、歩くだけで心が落ち着く感覚に。宿の明かりが静かに灯る光景は温かみがあり、どこか懐かしさを感じさせます。坂道ではあるものの、不思議とどこまでも歩けそうな気分になれるのは、この街のもつ特別な魅力かもしれません。

湯平温泉

大きな提灯に描かれた「湯平温泉」の文字はフォトスポットとしてもおすすめ!

湯平温泉

昼間とはまた異なる、しっとりとした時間を過ごせるので、昼と夜と時間を変えて訪れてみてほしい場所です。

*スポット情報
住所:大分県由布市湯布院町湯平

リニューアルした「石畳の驛つるや」でお土産探し

湯平温泉

湯平温泉の中心である石畳通りをぶらりと歩くなら、中ほどにある「石畳の驛つるや」をお忘れなく。ここは観光案内所・休憩所・物産所を兼ね備えた湯平観光の総合施設です。

つるや隠宅という旅館を改装し、2024年に新たにオープンしたという石畳の驛つるや。

建物のレトロな雰囲気を残しつつ、観光客が気軽に立ち寄り、ゆっくりと過ごせる空間になっています。

1階には売店と休憩スペースがあり、湯平名産である「花川堂のきんつば羊羹」や、旅館の女将たちが手作りしている人気の「ゆのひらんアイス」、さらに地元産のクラフトビールまで揃っていてお土産を探すにもぴったりな場所。

イートインのスペースもあるので、こちらで購入したアイスなど飲食物をいただくこともできます。

2階はアートギャラリーになっており、湯平温泉のアートプロジェクトとも連携した展示が楽しめます。

特に惹かれたのは、2階の一部屋をまるまる使ったミニシアター。今後どんな映画が上映されるのか、文化的な交流の場としての展開も楽しみなスポットです。

*スポット情報
住所:大分県由布市湯布院町湯平346
TEL:0977-86-2367
営業時間:10:30-17:00
定休日: なし(臨時休館あり)

「湯の坪街道」や「石畳の温泉地」など、王道ともいえる観光地をのんびり散策することができた1日目。2日目は、明治時代より続く「谷川神社」や共同浴場「銀の湯」など、歴史あるスポットを訪れます。ぜひそちらもご覧ください。

→2日目の記事を見る

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