暮らしの息吹と里山、ふたつの顔をもつ挾間をめぐる

大分市と別府市のあいだに位置する挾間エリアは、由布市のなかでもひときわ「暮らし」を感じさせる場所です。
大学病院やスーパーが立ち並ぶ住宅地と、棚田や雑木林、小さな神社が点在する里山の風景——ふたつの顔が隣り合うのが挾間ならではの魅力です。
観光地化されていない素朴な空気のなかに、古くから人々が手を合わせてきた神社やお寺が静かに残り、地元の人が丁寧につくった食やものに出会える場所もある、穴場な、ゆったりとした時間が流れるエリアです。

殿様の馬を癒した、牛と馬の守り神。

山の中へ続く道を上がっていくと、静かな空気がすっと変わる感じがします。
『大将軍神社』は平安時代末期から続く古社で、昔から牛馬の守り神として地域に親しまれてきた場所。

江戸時代には参勤交代の途中で弱った馬がここで祈願するとたちまち元気を取り戻したという伝承も残っています。

1月の春の大祭には今も無病息災を願う人々が訪れ、神聖な空気が境内を包みます。
道幅がやや狭い区間がありますので、のんびり向かうのがおすすめです。

スポット名:大将軍神社(だいじょうごんじんじゃ)
住所:由布市挾間町篠原710

 

里宮で祈り、頂きで絶景。ふたつの顔をもつ学問の神社。

県道沿いに鳥居が見えてくると、なんとなく背筋が伸びる気がします。
『白岳神社・下宮』は建久年代に建立された歴史ある社で、「知恵が授かる」と言い伝えられる「学びの石」が置かれています。
受験シーズンには合格祈願で賑わうそうですが、ふだんは静かで落ち着いた雰囲気。

「学びの石」の参拝方法は、石に向かって一礼し、利き手と逆の手を頭にのせ、次に利き手で石を3回時計回りになでながら願いを言い、最後に石に向かって一礼をします。

ここから山道を上った先の『上宮』では、木々のあいだからぱっと空が開け、由布岳と鶴見岳などの山々が並んで見える絶景が待っています。

山の斜面に建てられた社殿は、なぜここに?と思ってしまう場所にあるばかりでなく、内部の天井に飾られた絵馬も見事です。

スポット名:白岳神社(下宮・上宮)
住所:下宮:由布市挾間町谷2091 / 上宮:由布市挾間町谷2109

住宅地の小道に佇む、手づくりパンと小さなしあわせ。

住宅街の中にある『ぱんとおやつ soeurs』は、九州産小麦とオーガニック素材にこだわった天然酵母パンのお店。

動物性食品不使用でつくられたパンは、素朴なのにしっかり滋味があって、気づいたらもう一個手が伸びていました。

派手な看板もなく、地元の人に混ざってそっと立ち寄る感じが、挾間らしくていいんです。
売り切れることも多い人気のお店。営業日はInstagramで告知されているので、訪問前にチェックを。

店名:ぱんとおやつ soeurs(スール)
住所:由布市挾間町赤野363-9
営業時間:Instagramにて毎月の営業日カレンダーを告知(基本水・土曜営業)
定休日:不定(Instagram参照)
HP:https://yufuin.gr.jp/spot/spot-1208/

高崎山を見ながら、自然とつながる午後のひとときを。

棚田の景色が広がる赤野地区に、2024年に誕生した『赤野の森』。
扉を開けた瞬間に感じるほのかな木の香り。伝統構法ならではの凛とした佇まいの中で、自然と深呼吸したくなる穏やかな時間が流れています。

高崎山を正面に眺めながらいただくカフェタイムは、最高の時間。

自然観察会やワークショップも随時開催されているので、ふらっと立ち寄るだけでなく、半日まるっと過ごすのもおすすめ。

店名:赤野の森
住所:由布市挾間町赤野377-6
営業時間:12:30〜16:00(LO15:00)
定休日:木~月曜、ほか不定休あり(基本は火・水曜営業※要確認)
HP:https://akanonomori.jimdosite.com/

国道を跨ぐ参道橋の先に、時間が止まったような世界がある。

国道210号を跨ぐ参道橋を渡ってお寺に入る——そんな体験ができるのが『龍祥寺』です。
南北朝時代に開かれた臨済宗建仁寺派の古刹で、国重要文化財の「放牛光林肖像画」や戦国時代の刻銘が残る「六地蔵石幢」など、貴重な文化財も大切に守られています。

静かな境内に立っていると、長い歴史の重なりをじんわりと感じることができます。

スポット名:龍祥寺(りゅうしょうじ)
住所:由布市挾間町挾間442-1

挾間の2階で出会う、本場仕込みのNYピザ。

お腹を空かせて向かいたいのが『Little Cheerful』。
ビルの2階にある小さなお店ですが、出てくるのは本場ニューヨークスタイルの本格ピザ。

もちもちした生地にたっぷりのチーズ、選べるトッピングに迷いながら頼んだハーフ&ハーフが絶品でした。
画像は、人気の「ベーコン&パイナップル」と「フレッシュトマト」のハーフ&ハーフ1500円。

アメリカ人のスティーブンさんとの会話も楽しく、気づけばゆっくりしすぎてしまう居心地のよさ。
挾間コースの中の、ちょっとうれしいご褒美スポットです。

店名:Little Cheerful(リトルチアフル)
住所:由布市挾間町北方536-6 2F
電話:097-583-2520
営業時間:11:00〜15:00 / 17:00〜LO18:30
定休日:日・月曜
HP:https://www.instagram.com/littlecheerful_pizza/

旅の疲れを溶かす、挾間の湯と静けさ。

コースの締めくくりにこんなお風呂が待っているなんて、贅沢すぎます。
『ゆの杜 竹泉』はpH8.8以上の美人湯が源泉かけ流しで楽しめる温泉施設。
男女別の大浴場のほかに個性豊かな家族風呂が10種類あって、どれに入るか迷ってしまうこと間違いなし。

様々な種類がある家族風呂は当日10時から電話予約受付。早めに計画しておくのがおすすめです。
大浴場、家族風呂とも、シャンプー、ボディソープ、ドライヤーが完備されているのもうれしいポイント。

店名:ゆの杜 竹泉(ゆのもり たけせん)
住所:由布市挾間町来鉢影ノ木1047-1
電話:097-583-4088
営業時間:家族風呂予約受付 10:00〜(当日電話のみ)
料金:大浴場600円(小学生まで300円、未就学児200円)、家族風呂2名2200円~(60分)
定休日:第1・第3木曜(祝日は営業)
HP:https://yunomoritakesen.jp/

石段を上るたびに深まる静けさ、里山を眺めながら過ごすカフェ時間、竹林に包まれた美人湯。派手さはないけれど、帰り道にじんわりと「よかったな」と思える時間が、ここにはあります。
春は山桜、夏はホタル、秋は色づく紅葉、冬は静寂に包まれた神社——季節ごとに表情が変わるから、何度来ても新しい発見がある。次はどの季節に来ようか、帰り道からもう考えてしまいます。

HOME > 特集記事 > 暮らしの息吹と里山、ふたつの顔をもつ挾間をめぐる